伴天製作に関するお願い事と注意点

デザイン作成上のお願い事

基本的に、紙への印刷やプリント染色と異なり、あまり細い線や小さな点が表現できません。

下記の通り必要な大きさを確保しながらデザインを考えてください。

 

(1) 点の大きさ → 直径2mm以上

   型紙に使う紗(しゃ)のメッシュの細かさは縦横約1.2mmのため、点の大きさが

   2mm以下になると紗から剥がれ落ちてしまう可能性があるためです。

 

(2) 線の太さ → 2mm以上

   細い線(2mm以下)は型紙で表現できても、染め上がりで線が細くなったり

   太くなったりし、原図のイメージ通りに染め上がらない場合があります。

   そのため、基本的に線は2mm以上での作画をお願いしております。

 

(3) サイズごとのデザインについて → 各サイズ別にデザインが必要

   伴天は用途や体型によってサイズ(身丈・身幅など)が異なります。

   無地や大柄ですと各サイズ同じデザインで作れますが、総柄などは各サイズごとに

   デザインが必要となります。

 

(4) 文字などの配置について → 基本おまかせいただいています

   柄や文字の配置については弊社にてバランスを取って適切な場所に配置させていた    だいております。もし、特別な配置のご希望がございましたら、できるだけ詳しく

   ご指定願います。(原寸データか原寸紙原稿でご指定ください)

  

 伴天製作の注意点 

 

(1) 色の一致について → 目標色に合わせることが難しい

   紙への印刷と布への染めでは、比較するとやはり色の違いはあります。

   色合わせを慎重に行いたい方は、費用と時間がかかりますが見本染めを行って頂く事

   をオススメいたします。

   

(2) 色の変化について → 多少の色落ちはあります

   洗濯などの色落ちは少ない方ではありますが、濃い紫など落ちやすい色もござい

   ます。また、手染めとプリントを比べますと、プリント伴天の方が色落ちは少ない

   と言えます。

 

(3) 「取扱上の注意」表記について → 原則つけません

   「お取扱い上の注意」という、伴天のデメリット表示のシールはお付けして

   おりません。もし必要な場合にはお客様にて作成いただけますようお願い致します。  

 

(4) 背縫いの問題 → 柄が多少ズレます

   伴天の製作では生地幅の関係上、どうしても「背縫い」が発生いたします。

   背中に来る大柄や大きな文字を真ん中で縫い合わせるのですが、縫い目で多少の

   ズレが出てしまいます。

   これは布が製作の過程で多少伸縮するためで、可能な限り合わせて縫ってはおりま

   すが、多少のズレは予めご了承願います。

(5) 袖の形状問題 → 基本は直線縫いです

   伴天の袖は原則的に直線で作られますが、一部の地域では袖から脇の下にカーブを

   付ける場合があります。その場合は別途ご指定ください。

 

(6) 袖の長さと幅について → 標準サイズ以外はご指定ください

   伴天の袖の長さと幅は標準で決まっており、普通の成人男性ですと、袖は8分丈

   程度です。しかし、飾り伴天などでのご利用の場合はご希望のサイズをご指定

   願います。

(9) 全体的なサイズの誤差について → 約1cmの誤差があります

   表示されている寸法と実物には概ね約1cmの誤差があります。

   これは製造過程で生地が伸縮するためで、伴天の生地は比較的しっかりとした伸縮し

   にくい生地ではありますが、それでも誤差が出てしまいます。予めご了承ください。

 

(10) 無地部分のムラについて → 淡色の無地部分はムラになりすい

   手染め、プリントのいずれでも無地の広い部分には多少のムラ(濃淡の差)が発生

   いたします。通常、紺や黒などの濃い色では、ほとんど気にならない程度ですが、

   淡色(薄い色)の場合、ムラとして見えやすくなります。

   そのため、地色に淡い色はオススメいたしておりません。

   しかしながら、どうしても淡色にこだわり、かつムラ無く作りたい場合は、一度無地

   染めをした生地で伴天を製作する方法があります。

   ただし、無地染めは最低でも伴天80枚分の加工数量が必要であったり、デザイン的

   にも「白場がなくなる」ので少量製作にはあまりオススメできません。

   また、綿袖の場合、スラブ糸という通常より太い糸が織り込まれている為、生地の

   凸凹により染めの濃淡が余計に出やすい傾向にありますので更に注意が必要です。


 より詳細な注意点は下記をご覧ください。

注染手ぬぐい手引書