不織布に負けない布マスク(その4「ナノ☓シルクマスク」)

らくなマスク

 福井で絹織物が得意な小杉織物さんのイチオシマスクだ。

さすがに、シルクだけあって、かなり高めの価格設定。私は3,960円(税込)の「ナノ☓シルクマスク」を買ってみた。
東京工業大学名誉教授の谷岡明彦氏が開発販売している「Zettaナノファイバーフィルター」という不織布を、薄い不織布で挟み、さらにその両側をシルク生地で挟んで縫製している立体タイプの布マスクだ。

何よりも凄いと思うのは「医療用高機能マスク N95同等捕集率」と明言していることだ。よほどの自信か確固たる測定データがあるからだろうが、その根拠は私はよくわからない。
さらに凄いのが、マスクの性能明示のために希望の方には「WITH FILTER」という織りネームを無料で付けてくれる。

谷岡先生で思い出したのが、クラウドファンディングで1億8千万円売れたという「分子マスク」も同じ谷岡先生だ。こちらは、まだ納品待ちなので実物は見たことが無いが、同じような構造で、値段もほぼナノ☓シルクマスクと同じだ。違うのは、表裏素材が、シルクではなく何故か消費者に人気のある今治のオーガニックコットン素材だ。

ナノ☓シルクマスクの装着感は、普通の立体布マスク程度だ。ウレタンマスクに比べると、息がしにくい。長時間の着用にはマスク酸欠などの注意が必要かも知れない。

高価なマスクだが、自分では長期着用はしないので、さっそく分解して見た。

 

Zettaナノファイバーフィルター」という不織布が真ん中に入っているのだが、通常の不織布より厚くて、触るとヌメり感がある。通常のマスク用フィルター不織布のメルトブロー方式ではない、Zetta-Spinning方式の特徴かもしれない。

恒例の「撥水性テスト」を試みる。表裏のシルク素材は、まるで無し。ナノファイバーフィルターは強撥水性があるがそれを包む薄い不織布の撥水性は弱い。
気になるのは「洗濯を何回しても性能は落ちない」ということだが、分子マスクの洗濯結果表で100回洗濯しても捕集効率は殆ど変わらないの明記されている。「捕集効率」なる数値をどうやって測定して割り出したか書いていないので判断は難しい。

しかし、メルトブロー不織布の撥水性能は洗濯回数が増えるたびに落ちていく(ユニクロのAIRismマスクの例)という例があるので、このナノファイバーフィルターについても、洗濯回数による撥水性の変化は近々実験してみようと思う。

このブログで何回も書いて来たが、「飛沫飛散防止」は、飛沫の速さと圧力により挙動がまったく異なる。優先順位から言うと、マスク素材の(1)通気性(2)撥水性(3)捕集性が影響する。飛沫は水分に囲まれているからだ。

感心するのは「ナノ☓シルクマスク」も「分子マスク」も「ナノファイバーフィルター」という魔法の素材を看板に、高額で大量に販売成績を上げているということだ。この点については当社は足元にも及ばない。販売手法については、当社の「らくなマスク」シリーズはまだまだヨチヨチ歩きである事をつくづく実感させられる。

「らくなマスク」シリーズの詳細についてはこちらを御覧ください。

https://rakunamask.com/?pid=155540585

 

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